人間というのは1000の良いことよりも1の悪の方をよく覚えているものであり、1つの悪でそのもののイメージを固めてしまう傾向があります。コロナ禍の中、音楽業界はなんとかこの窮屈な世界の中でもコンサートやライブなどをみなさんに提供したいという思いから多くの企業が協力し合い、知恵を振り絞って頑張ってきました。少しずつではありますがライブ配信のノウハウもでき、国や自治体のレギュレーションを守りながら人数を制限してコンサートをおこなっていたというのが現状です。ここ一年、コンサートやライブでクラスターも出ておらず、国や自治体もそこまで徹底してやられているのなら補助金を出すのでなんとかエンタメ業界も耐えて頑張ってください、ということで、こうしたエンタメに税金を投入してくれるようになりました。これまで肩身が狭かったエンタメもなんとか糸口が見えてきた矢先、ルールを完全に無視したイベントが強行されてしまいました。多くイベント企業の方々は落胆され、怒りが込み上げてきたことと思います。国や自治体もやっぱりエンタメは・・・というイメージを持たれたでしょう。一つ一つみんなで積み上げてきたことが、1つの悪によって完全に崩壊してしまったのです。そして、音楽業界全体に怒りの矛先が向けられてしまっている状態が本当にやるせない。ゲーム業界でも同じことを経験したことがあります。1つの悪はそれほど強烈であり、インパクトがあり、音楽業界全体を悪いイメージで固められてしまうということなのです。だからこそ、プロフェッショナルの方は、その業界に身を置くのなら最大限の注意を払いながらルールの中で最高のものを提供していくという努力が必要なんです。今回の事件は本当に残念だし、音楽うんぬん関係なしに、人としてルールを守れないのは失格ですね。これでもう国も自治体もエンタメなんかに補助金なんか出さない、っていう思考になりますよね。自分で自分の首を絞めるとはこのこと。本当に遺憾。