皆様、大変お待たせいたしました。
2018年5月23日にXenoblade 2 Original Soundtrackが
発売されることになりました!!
詳しくは任天堂さんのプロダクションノート
ご覧いただければと思います。
(すでに限定版は完売したのかな?)
ともあれ、この日記では別の角度からの
お話を少ししたいと思います。

まず今回なにが大変だったかといいますと、
曲数とそれに伴うトータルタイムでした。
ジングルまでいれるとCD6枚組。
正直、6枚のCDケースというものがなく、
特別仕様になってしまうこと(通常版としても)。
これが一つ。

もう一つは、制作費。
6枚分のマスタリング代だけでかなりの予算がかかります。
また、楽曲のタイトルや曲順、デザイン、原盤に関する契約
その全てをまとめるだけで何ヵ月も掛りました。
(その他、色々な問題もおきたんですけどね・・・苦笑)
実際、ゲームが発売される前から動いていたのにも関わらず、
最速で5月発売となってしまいました。
お待ちいただいたファンの皆さんには
本当に申し訳なかったと思います。

さて話しは少し変わりますが僕には2つの顔があります。
プロキオン・スタジオの社長としての顔。
もう一つは作家としての顔。
どちらも自分にとっては大切なものですが、
この2つは真逆のベクトルを持っています。
言ってしまえば、経営者とクリエイターという関係で
これは一生相いれないものなのです。
(分かる人にはわかると思います)
よく、皆さんから両方出来るね・・・と言われますが!

今回、会社の経営者から考えた場合、
まともな経営者なら100%サントラは
発売されなかったでしょう。
(チープな簡易版でよければなんとか・・・
といった感じでしょうが)
定価 − 原価 = 売上
この計算が完全に破綻していたからです。
USB仕様のものはお値段が高くなってしまいましたが、
これでも全く採算がとれない状態でした。
え〜そんなことないでしょう?と思われるかもしれませんが
原価というのは単純にUSB代、箱代、印刷代、
原盤使用料だけではないのです。
今回、サントラをつくるにあたり、多くの人に
ご協力いただきました。
その方たちの時間はタダじゃありません。
また、弊社スタッフも何ヵ月も動きまくって
やっと形になるのです。
そのスタッフの人件費、時間的拘束を考えると
とても採算が取れる商品ではないのです。
うちの会社は請負いが基本で、商品を作るのがメインでは
ありませんので、そこまでスタッフを拘束されてしまうのは
本末転倒なわけです。
にも関わらず、このような大胆な仕様で発売できるのは
自社レーベルであること、そして、
絶対にいいものにする、というスタッフの意気込みでした。
そんなスタッフのパワーに負けてサントラの発売を
社長として許可してしまいました。

一旦OKと決めたら、今度はクリエイター脳が動き始めます。
パッケージデザイン、質感、色味、紙質、音楽の中身、
そちらをとことん拘って作りたいと思うようになるのです。
(これは昔から変わっていませんが・・・)
こうなったら手に負えません。
お金がいくらあっても足りない状態になります(笑)。
身銭を切ってでもレコーディングしたいと思う状態と
同じですね。。

多分、最後の最後までいろいろと詰め込んでいくと
思うので、更に制作費はかさんでいくでしょう。
正直にいいます。
このサントラはお買い得です(笑)。
他のレーベルでは絶対にまねできません。
自信持って言えます。

スタッフの本気度が伝わったのかUSB限定版が
数時間で売り切れてしまいましたので
豪華CD版のリンクを貼っておきます。

アマゾン 豪華CDコンプリート盤